高次脳機能障害とは~注意障害編~
- sankatsu0901
- 2024年8月16日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年12月4日
高次脳機能とは?

人間は五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)から刺激を受けてそれを脳に送っています。そして脳はそれらの刺激を知覚し、言葉や映像にして学習します。また脳は記憶した知識や経験から状況判断を下します。このような脳の働きのことを『高次脳機能』と言います。
脳は主に右図のような働きをしており、それぞれに情報が入力・出力され相互に複雑に行き来しています。
高次脳機能障害とは
高次脳機能障害の原因
①脳卒中(脳梗塞、脳出血など)
②脳外傷(交通事故など)
③脳炎など(ウイルス感染など)
高次脳機能障害とはこれらが原因で脳の機能が低下し様々な症状を引き起こすことを指します。「見えない障害」とも言われ外見からは分かりにくいのが特徴です。症状や重症度によって日常生活や社会復帰に影響を及ぼします。
高次脳機能障害の症状は損傷された部位によって様々な症状が出現します。今回はその中のひとつである注意障害についてご紹介します。
注意とはすべての行動の基盤となるためとても大切な機能になります。
注意の種類
①持続性注意
集中力を持続させる能力
②選択性注意
身の回りのいろいろな刺激の中で、1つの刺激を選択しそこに注意を向ける能力
(多くの商品の中から目的のものを見つける)
③同時処理・配分性注意
2つ以上の刺激に対して同時に注意を向け処理を行う能力
(電話をとりながらメモをする)
④転換性注意
状況に応じて注意を切り替える能力
(仕事中に電話が鳴った際すぐに対応できる)
注意障害とは

上記の注意が困難になること。集中力が続かなくなったり、外からの刺激に対して反応が鈍くなったり、見つけたり気付いたり、切り替えが行いにくくなる症状です。
『見えているけど見ていない。聞こえているけど聞いていない。』
『周りの声や音にすぐに反応してしまい落ち着きがない』
『一つの事には集中できるが、他に注意が向けられない』
といった症状がみられます。
注意障害への対応
高次脳機能障害全般にいえることですが、まず自身の障害について気付いてもらうことが大切です。自身の集中力が落ちている。簡単なミスが増えている。これらに気付いてもらうことで日常生活や社会生活でミスを減らすことができます。例えば休憩時間を増やしたり、同時にではなくひとつずつ作業を行ったり、集中しやすい環境を整えたりといった行動を自身で行えるようになるからです。また周りの方に障害の特性を理解してもらい、サポートを受けることも重要となります。
また注意機能は感情や疲労とも密接に関係しています。感情が高ぶった状態や疲労が蓄積された状態の時には集中力が欠如したり、作業が続けられなくなるのは当然のことです。ですので、感情的な安定を図ることも大切になってきます。




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